DOCOMOMOについて
ドコモモ(DOCOMOMO=Documentation and Conservation of buildings,sites and neighbourhoods
of the Modern Movement)
モダン・ムーブメントにかかわる建物と環境形成の記録調査および保存のための国際組織
ドコモモは、20世紀の建築における重要な潮流であったモダン・ムーブメントの歴史的・文化的重要性を認識し、その成果を記録するとともに、それにかかわる現存建物・環境の保存を訴えるために、オランダのアイントホーヘン工科大学のフーベルト・ヤン・ヘンケット教授(現デルフト工科大学教授)の提唱により1988年に設立された国際学術組織である。その会員の専門分野は、建築史研究者だけではなく、建築家、建築エンジニア、都市計画家、行政関係者など幅広い。
1990年にアイントホーヘンで第1回の総会が開催され、その後拡大を続けて、2003年現在、44か国に支部(”Working Party”と呼ぶ)がある。第2回総会は1992年ドイツのデッサウのバウハウスの校舎で行われた.第3回(1994)スペインのバルセロナ、策4回(1996)はスロバキアのブラティスラバ、そして、第5回(1998)は、スカンジナビア諸国5カ国の共催により、スウェーデンのストックホルムで.第6回(2000)は、ブラジルのブラジリア、第7回(2002)はフランスのパリで開催された。
ドコモモ本部(DOCOMOMO International)は最初オランダ・デルフトに置かれ、2002年からはフランス・パリにある。会長は同年に、ヘンケット教授からイタリアのマリステッラ・カッシアート教授に代わった。
第1回総会で、ドコモモの理念や活動についての宣言が採択され、以下のような活動目的が確認された。
1. モダン・ムーブメントの建築遺産の重要性を、一般市民、行政当局、専門家、教育機関に広めること。
2. モダン・ムーブメントの建築作品の調査を進め、広げること。
3. モダン・ムーブメントの建築貴重な作品の破壊と破損に反対すること。
4. 資料調査と保存のために基金を誘致すること。
5. モダン・ムーブメントに関する見識を広め、探求すること。
ドコモモは、モダン・ムーブメントやその成果に関する参加各国の多様性を尊重しつつ、2年に1回の総会に合わせたシンポジウム、機関誌”DOCOMOMO Journal”の年2回の刊行を通じての情報提供、4つの専門分科会ごとの研究・議論、個別の支部が開催するシンポジウムの案内などを行って、モダン・ムーブメントの成果やその保存の重要性についての啓蒙活動を続けてきた。これまでの活動で特筆すべきものは、各国に現存するモダン・ムーブメントの好例20件を選定して、2000年に”The Modern Movement in Architecture/ Selections from the DOCOMOMO Registers” (edited by D. Sharp & C. Cooke, 010 Publishers) にまとめて出版したことである。そのもとになっている現存リストは所定フォーマットに従って蒐集され、オランダの建築博物館(NAI)が管理し、公開やさらなるデータ整備・蒐集に向けて準備が進められている。
なお、近代の建築に関するユネスコの世界遺産選定の動きに関連して、ユネスコとの協力関係模索の動きもある。
ドコモモの日本支部(DOCOMOMO Japan)設立の動きは、1997年にはじまり、先述のDOCOMOMO20選のために1998年に日本建築学会の建築歴史・意匠委員会内に設けられたドコモモ対応ワーキング・グループを母体に組織を整え、2000年のブラジリア総会でDOCOMOMOの正式メンバーとして承認された。
日本支部は2000年に、同支部選定のDOCOMOMO20選についての展覧会やシンポジウムを独自に開催し、2003年9月には20選に80件を加えたDOCOMOMO100選を発表するなど、積極的な活動を続けている。そのメンバーには、DOCOMOMOの趣旨に沿うべく、建築史研究者だけではなく建築家や構造エンジニア、構法の研究者も参加している。
DOCOMOMO 憲章(アイントホーヘン宣言)
モダン・ムーブメントの重要性を行政関係者、環境形成に関わる専門家、教育組織だけでなく広く一般に認識させること
モダン・ムーブメントに関わる建物とそれに関する登録を行うこと。それに関連する 図面、写真、公文書、その他の資料などの記録を把握し、整理すること
保存に対する適正な技術や手段の開発と専門知識の伝達を行うこと
重要建築物の取壊しや美的価値喪失の危機に対して警鐘を鳴らすこと
文書調査の実施と保存のための基金の調達を図ること
基本的人権を守り、持続可能な将来を築くためにモダン・ムーブメントに関する理解の促進と発展を図ること
最高度の技術性を有するレベルでの上記の事項の実現を目指すこと