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DOCOMOMOについて

ドコモモ(DOCOMOMO=Documentation and Conservation of buildings, sites and neighborhoods of the Modern Movement)
モダン・ムーブメントにかかわる建物と環境形成の記録調査および保存のための国際組織

ドコモモは、20 世紀の建築における重要な潮流であったモダン・ムーブメントの歴史的・文化的重要性を認識し、その成果を記録するとともに、それにかかわる現存建物・環境の保存を訴えるために、オランダのフーベルト・ヤン・ヘンケット(当時アイントホーヘン工科大学教授、現デルフト工科大学教授、初代会長)の提唱により、1988 年に設立された国際学術組織で、近代建築史研究者だけでなく、建築家、建築エンジニア、都市計画家、行政関係者などが参加している。

1990 年にオランダのアイントホーヘン(アイントホーヘン工科大学)で第 1 回の総会(国際会議)が開催され、その後発展を続け、2014 年現在、64 支部(Working Party)がある。第 2 回総会は、1992 年ドイツのデッサウ(バウハウス)で行なわれた。第 3 回(1994)はスペインのバルセロナ(ミース財団)で、第 4 回(1996)はスロバキアのブラスティラバ(スロバキア国立博物館)とスリアック(スリアックスパ)、第 5 回(1998)は、スカンジナビア諸国 5 カ国の共催により、スウェーデンのストックホルム(ストックホルム建築博物館)で、第 6 回(2000)は、ブラジルのブラジリア(ブラジリア大学)で、第 7 回(2002)はフランスのパリ(ユネスコ本部)で、第 8 回(2004)はアメリカのニューヨーク(コロンビア大学)で、第 9 回はトルコのイスタンブール(イスタンブール工科大学)とアンカラ(中東アンカラ工科大学)、そして第 10 回は記念大会としてオランダのロッテルダム(ファン・ネレ工場)で 2008 年に開催された。第 11 回(2010)はメキシコのメキシコシティ(メキシコ自治大学)、第 12 回(2012)は、フィンランドのヘルシンキ(オタニエミ文化会館)、そして第 13 回(2014)は韓国ソウル(ソウル国立現代美術館)で、初めてのアジア開催となった。第 14 回(2016)はポルトガルのリスボン、第15回(2018)はスロベニアのリュブリャナで開催され、第16回(2021)は東京でコロナ禍のため1年延期され、オンラインと会場開催との併用で開催された。第17回は(2022)スペインのバレンシアで開催された。

ドコモモ本部(DOCOMOMO International)は当初オランダ(アイントホーヘン、デルフト)に設置され、2002 年からフランス(パリ)に移ったが、2010 年からスペイン(バルセロナ)のミース・ファン・デル・ローエ財団に、2014年3月からはポルトガル(リスボン)のリスボン工科大学に移った。現在はオランダ(デルフト)に本部が置かれ、会長には 4 代目としてUta Pottgiesserが就任している。第 1 回(1990 年)アイントホーヘンの総会でドコモモの理念や活動についての宣言が採択され、第 13 回(2014 年)韓国ソウルの国際会議で、(re) use, sustainable といった内容が付け加えられたアイントホーヘン・ソウル宣言が採択された。

ドコモモは、モダン・ムーブメントやその結果に関する参加各国の多様性を尊重しつつ、2年に1回の総会に合わせたシンポジウム、機関誌である “DOCOMOMO Journal”の年2回の刊行を通じての情報提供、4つの専門分科会ごとの研究・議論、個別の支部が開催するシンポジウムや展覧会の案内などを行なって、モダン・ムーブメントの成果やその保存の重要性についての啓蒙活動を続けてきた。これまでの活動で特筆すべきものは、各国に現存するモダン・ムーブメントの好例20件を選定して、2000年に “The Modern Movement in Architecture /Selections from the DOCOMOMO Registers” (edited by D.Sharp & C.Cooke, 010 Publishers)にまとめて出版したことである。そこで作成されたデータは、所定フォーマットに従って形で提出され、オランダの建築博物館(NAI)が管理し、公開さらなるデータ整備・蒐集に向けて準備が進められている。なお、近代の建築に関するユネスコの世界遺産選定の動きに関連して、ユネスコから協力が依頼されており、その諮問機関であるICOMOSや国際建築家連盟であるUIAとも協力を深めている。

DOCOMOMO 憲章(アイントホーヘン・ソウル宣言)

ドコモモの主たる到達点は、1990 年の設立大会で採択されたアイントホーヘン宣言に述べられている。それは、2014 年のソウル大会において更新され、アイントホーヘン・ソウル宣言として承認された。
ドコモモ本部は、非営利組織であり、モダン・ムーブメントにかかわる建物と環境形成の記録調査及び保存に寄与するものである。
その目的は以下のとおりである。

  1. モダン・ムーブメントの建築に関する重要性を、一般市民、行政当局、専門家、教育機関に広めること。
  2. モダン・ムーブメントの建築作品の調査を進め、学術的価値を位置づけること。
  3. モダン・ムーブメントの建築、環境群の保存とリユース(再利用)を推し進めること。
  4. モダン・ムーブメントの貴重な建築作品の破壊と毀損に反対すること。
  5. 保存とリユース(再利用)に対する適正な技術や手段の開発と専門知識の伝達を行うこと。
  6. 保存とリユース(再利用)の調査のための基金の調達を図ること。
  7. モダン・ムーブメントという過去の挑戦に基づいて形成された建築環境を、将来に継承すべく持続可能なものとして探求しながら、新しいアイデアを展開していくこと。

DOCOMOMO Japan について

ドコモモの日本支部(DOCOMOMO Japan)は、1998 年に DOCOMOMO 本部からの支部設立の要請を受ける形で、日本建築学会の建築歴史・意匠委員会下のドコモモ対応ワーキンググループを母体に組織を整え、20 件の選定作業を開始した。2000 年のブラジリア総会で DOCOMOMO の支部として正式に承認された。日本支部は2000年に神奈川県立近代美術館(鎌倉館)を会場に、選定したDOCOMOMO20選についての展覧会やシンポジウムを開催し、ドコモモの主要任務を果たすべく、2003 年 9 月には 20 選に 80 件を加えたDOCOMOMO100選を行い、その成果を2005年3 月から5月にかけて汐留ミュージアムで展覧会として発表した。また、合わせて、建築物の見学会や全国各地での展覧会、研究集会ならびにセミナーやシンポジウムを開催している。2004 年度からは支部となったDOCOMOMO Korea や DOCOMOMO UKとの交流を行なうなど、積極的な活動を続けている。特に2008年と2010年にはそれぞれ京都(国立京都国際会館)と東京(東京都中央卸売市場築地市場、東京芸術大学)で技術に関する国際セミナーを開催し、2011 年 9 月には UIA 東京大会において、DOCOMOMO Japan 150 未来への遺産展を開催し、国内外から多くの研究者や建築家が参加し、その活動は国際的になりつつある。2015 年には、ASEAN 地域 9 か国から専門家・各国際組織幹部を招聘し、国際交流基金と日本イコモス国内委員会との共催による国際会議「日本とASEAN地域における 20 世紀遺産の現状と課題」を開催した。2016 年 7 月には、ドコモモジャパン選定建築である国立西洋美術館(ル・コルビュジェ / 1959 年)が世界遺産に登録された。

DOCOMOMO Japan へのお誘い

近代建築に興味と情熱をおもちの方なら、誰でも参加できる国際組織が DOCOMOMO Japan です。2000 年にブラジリアでの総会で正式に承認されて以来、国際本部との連携のもとで、日本の近代建築の記録・保存・評価・調査など、幅広い活動を行っています。専門家として、学生として、建築ファンとしての参加など、どのようなかたちでの参加も歓迎します。 DOCOMOMO Japan はこれまで日本の近代建築のリストを整備しながら、展覧会、見学会、シンポジウム、研究会、国際交流などを行ってきました。また、年に 2 回 DOCOMOMO Japan News Letter を発行しています。こうして記録されてゆく近代建築のリストは、今後ユネスコの世界文化遺産の登録につながってゆくものと考えられています。こうしたリストを拡充しながら、今後の活動を幅広く、多様に展開してゆくために2018年1月にドコモモジャパンは一般社団法人として新たなスタートを切りました。

会員の種類と入会の手続きについてはこちらをご覧ください。

         

一般社団法人DOCOMOMO Japan 組織 (2024年4月現在)

代表理事  
鰺坂徹(鯵坂建築研究所 代表)
副代表理事 
頴原澄子(千葉大学 准教授)
理事    
大内田史郎(工学院大学 教授)
理事    
加藤雅久(居住技術研究所 代表)
理事    
水上 優(兵庫県立大学 教授)
理事    
岸 佑(国際基督教大学アジア文化研究所 研究員)
理事    
坂田充弘(日本設計)
理事    
川嶋 勝(日本大学 短期大学部建築・生活デザイン学科)
理事    
藤木竜也(千葉工業大学創造工学部建築学科)
理事    
林 憲吾(東京大学生産研究所 准教授)
理事・事務局長    
玄田悠大(団体職員)
監事
田原幸夫(京都工芸繊維大学 客員教授)
   
監事
佐野吉彦(安井建築設計事務所 代表取締役社長)
事務局
〒102-0074 東京都千代田区九段南3-8-13丸中ビル7階(株式会社エニー内)
office@docomomojapan.com

定款
会費規定

本HP掲載の写真について

本HPにおけるドコモモジャパン選定建築の紹介の写真は、本会会員により撮影されたものです。 本会の活動の広報等に限りご自由にお使いいただけます。

お問い合わせ

DOCOMOMO Japan にお問い合わせがある方は下記事項を記入の上 DOCOMOMO Japan 事務局まで E-Mail office@docomomojapan.com にてお問いあわせください。

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