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木造近代建築の保存と活用─木造校舎の保存活用の成果と課題

2017年07月09日

来る7月29日、京都工芸繊維大学にて、保存再生学シンポジウム「木造近代建築の保存と活用─木造校舎の保存活用の成果と課題」を開催いたします。建築都市保存再生学コース設立3年目となる今年度は、木造近代建築をテーマとします。

保存活用に成功した愛媛県の日土小学校(DOCOMOMO Japan選定作品/1958年竣工/松村正恒設計)と兵庫県の西脇小学校(1937年竣工/内藤克維設計)に焦点を当て、その改修設計に関わられた花田佳明先生と足立裕司先生、さらに木構造の専門家である腰原幹雄先生をお招きし、その成果と課題について検討します。どなたでも参加いただけます。どうぞお越しください。

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保存再生学シンポジウム2017 第1回
「木造近代建築の保存と活用─木造校舎の保存活用の成果と課題」

■スケジュール
日時:2017年7月29日(土)13時30分−
会場:京都工芸繊維大学60周年記念館2階大セミナー室
京都市左京区松ヶ崎橋上町1(京都市営地下鉄松ヶ崎駅下車徒歩10分)
定員:90名
入場:無料(申込不要、当日先着順)
主催:京都工芸繊維大学大学院建築学専攻/京都工芸繊維大学KYOTO Design Lab
後援:DOCOMOMO Japan/日本イコモス国内委員会

■プログラム

13:30
挨拶|田原幸夫(京都工芸繊維大学KYOTO Design Lab特任教授)
13:40
西脇小学校の保存再生:足立裕司(神戸大学名誉教授)
14:30
日土小学校の保存再生:花田佳明(神戸芸術工科大学教授)
15:20 休憩
15:30
木造近代建築の保存再生と構造家:腰原幹雄(東京大学生産技術研究所教授)
16:20
座談会 木造校舎の保存活用の成果と課題:
足立裕司+花田佳明+腰原幹雄+田原幸夫+笠原一人(京都工芸繊維大学助教)
18:00
講師・参加者による懇親会|プラザKIT(会費制)

■概要
京都工芸繊維大学大学院・建築都市保存再生学コースの保存再生学シンポジウムも3年目を迎える。今年度の年間テーマは「木造近代建築」に設定した。ここで言う「木造近代建築」は、伝統工法による神社仏閣や民家、近代和風建築は含まない。20世紀に造られた公共的な色彩の強い、比較的規模の大きな木造建築を対象とする。その第1回として小学校の木造校舎を取り上げたい。

日本の学校建築における過去を振り返ったとき、木造校舎においては多くの試練があった。その一つは“不燃化”という問題である。学校に限らず、歴史的建造物の保存においては常に、安全性の確保と歴史的価値の保全がぶつかることとなるが、学校建築においては国の“不燃化”という基本方針のもと、多くの優れた木造校舎が失われてしまった。現在、文部科学省が「木の学校づくり」を推進している状況は皮肉と言うしかない。また建築基準法の改正によって、新築の木造校舎実現の可能性は広がりつつあるが、失われたものは二度と戻らない。

今回のシンポジウムでは、苦難の歴史を生き延び見事に現代の小学校として甦った、兵庫県の西脇市立西脇小学校(1937年竣工/内藤克維設計)と愛媛県の八幡浜市立日土小学校(1958年竣工/松村正恒設計)の木造校舎に焦点を当てる。戦前と戦後の木造校舎の傑作であるが、いずれも解体の危機に瀕していた。しかし関係者の粘り強い活動により、保存再生が決定した。その保存再生に関わった専門家をお招きし、木造近代建築を過去から未来へと繋ぐ意味と可能性を探る。

■問い合わせ:
国立大学法人 京都工芸繊維大学KYOTO Design Lab 事務局
info@d-lab.kit.ac.jp/tel: 075 -724 -7282/ww.d-lab.kit.ac.jp
Facebook: KYOTO Design Lab/Twitter: @kyotodesignlab